ゴリラ・トラッキングに適した時期/天候

ゴリラ・トラッキングに適した時期はいつですか、よく聞かれる質問ですが、なかなか答えるのが難しい質問です。

ゴリラは定住型の動物で、森の中での遊動はあるものの、特定の森の外に移動することはありません。常に同じ森に生息しているので、年中いつでも同じ森で見にいくことができます。なので、この月でないと見られないというようなことはありません。

次に天候ですが、ゴリラ・トラッキングは雨天決行ですので、当日の天候が雨の場合もトラッキングは行なわれます。当然、雨が降っていない方が、山を歩きやすいです。もう少し欲張っていうと、直射日光を浴びながら歩くと体力を消耗するので、直射日光は射さない程度に曇っていて、且つ、雨は降らないというのが最適の天気といえます。ただ、樹冠のしっかりとした森の中では日光がかなり遮られるので、一旦森に入るとあまり関係なくなります。

雨量のデータに関して、ブウィンディ国立公園の北にあるキヒヒと、ブウィンディ国立公園の南でムガヒンガの北に当たるキソロの月間降水量は下記の通りです。

キヒヒ
1月 48mm/2月 54mm/3月 80mm/4月 100mm/5月 78mm/6月 27mm
7月 31mm/8月 59mm/9月 81mm/10月 101mm/11月 103mm/12月 71mm
キソロ
1月 63mm/2月 74mm/3月 107mm/4月 140mm/5月 93mm/6月 27mm
7月 19mm/8月 43mm/9月 74mm/10月 105mm/11月 115mm/12月 87mm
* データ引用元 https://weatherspark.com/

一般的には、雨が多いのは4月から5月、10月から11月の4ヶ月間で、乾燥するのは1-2月、7-8月の4ヶ月間といわれています。ただ、上記のデータの通り乾期でもそれなりの雨量があり、文字通り熱帯雨林では1年中雨が降ります。また、気候変動の影響で雨期と乾期がずれ込むことが多いため、この時期なら雨は降らないという時期がありません。

また、雨期にはいくつか長所もあります。先ず、森の緑がきれいであること。やはり雨が降って木が多くの水分を吸い上げた後の方が、森の緑がきれいです。また、森に霧がかかるなど、雨期ならではの神秘的な風景を見られる可能性が高くなります。

天候、山中の歩きやすさという点では、1月と2月、7月と8月が最も適しているものの、この時期でも一定量の雨が降り、また雨季乾季のずれ込みで、この時期が必ずしも乾期に当たるとは限りません。

続きます。