ゴリラ・トラッキングはどれくらい大変か その3

さて、大丈夫、ゴリラ・トラッキングに行けるという気分になったでしょうか。はい、きっと大丈夫です。きっと大丈夫であろうう根拠を書いてみます。

一つ目 グループ分け
朝に開かれるゴリラ・トラッキングの説明会の後で、グループ分けがあり、一つのゴリラの家族辺り最大8名の旅行者が割り振られます。国立公園の職員は各ゴリラ・グループの居場所や道中の険しさなどの情報から、高齢の方や何しらの理由のある方には、近場であまり大変でないところに居るゴリラ・グループに、体力に申し分なさそうな方は遠目の道中に十分熱帯雨林を楽しめるような場所に居るゴリラ・グループに割り振られます。

当日の状況次第でもありますが、国立公園は各自の体力にあったゴリラ・グループを選んでくれます。体力に自信のない方は、割り振りの際にその点をアピールしましょう。

二つ目 ペースメーカーになる
一緒に森に入り、一緒に下山するのが原則なので、一番遅い人のペースに合わせて、全体が動きます。グループ分けで、同じくらいの体力の方と一緒に歩きますし、基本的には、歩くのが遅くても取り残されることはありません。

ただ、極端に遅い場合は他の旅行者に迷惑がかかりますし、ガイドが健康面や体力的にトラッキングを続けることが困難と判断した場合は、途中で下山させられることもあります。

三つ目 ポーター
ポーターに荷物を持ってもらうことも可能です。自分の荷物は自分で背負うべきと考える方もいらっしゃるかと思いますが、登りの過程で疲れてしまい、ヘトヘトの状態でゴリラと1時間を過ごすのはもったいないです。

ポーターを雇うことは地元の方の現金収入の機会になるため、エコ・ツーリズムや地元社会への貢献ともいえます。

四つ目 担架
山中で体力を使い果たしてしまった場合は、担架で運んでもらうことも可能です。地元の人たちが麓から担架を持って、山中まで来てくれます。

担架とはいえ、山道で平行を保ちながら担架を運ぶことは難しく、かなり斜めになりながら運んでもらうので、担がれる方もそれなりに大変です。料金は移動距離次第ですが、数百ドルくらいと高額です。

ゴリラ・トラッキングはどれくらい大変か その2

では、ゴリラ・トラッキング当日の流れを5つに分けて、ゴリラ・トラッキングの大変さを書いてみます。

1.国立公園事務所から歩き出しまで。
ゴリラ・トラッキング当日は、先ず国立公園の事務所にて手続きを済ませ、その後、説明会に参加します。説明会の後で移動を始めます。

ゴリラが国立公園の事務所の近くにいる場合は、事務所から歩き始め、遠いことが分かっていたら、先ず車で移動します。少し車で移動してから歩き始めることの方が多いので、その前提で説明を続けます。

2.歩き出しから国立公園の境界線まで
森の中に車で入ることはできないので、国立公園に隣り合う農地の周辺に車を止めて、車から下ります。前日のゴリラの居場所に基づいて、当日歩き始める場所を決めるため、歩き始める場所は毎回異なります。

国立公園に隣接する農村にお邪魔し、農地や民家沿いの細道を歩きます。この区間は、国立公園内ではなく畑や民家が続く農村で、道があるため、歩きやすい反面、森ではないので、晴天の日は日差しがきついことがあります。

国立公園との境まで来ると、ガイドがここからが国立公園です、と教えてくれます。ゴリラの居場所次第では、農村を通過せずに森に入ることもあります。

3.国立公園の境界線からゴリラの居場所まで
国立公園に入った辺りから、ガイドが先に森に入りゴリラを探しているトラッカーと連絡を取り始めます。取り敢えずは、前日にゴリラを見た場所の方向へ進みつつ、トラッカーからの連絡によって進路を変えます。

国立公園内は森であるため、気温が低く日陰を歩くことが増えますが、農村のそれよりも道が険しくなります。先ずは、国立公園内のトレールを歩き、トラッカーからゴリラ発見の連絡が入ると、その日のゴリラの居場所に向かって歩き始めます。ゴリラがトレール上にいるとは限らないため、最後は道のない密林の中を藪漕ぎをしながら進みます。藪漕ぎはガイドがやってくれます。

ゴリラの居場所の近くまで来たところで、荷物を降ろし、一旦休憩です。

4.ゴリラの居場所にて
休憩を済ませると、皆カバンを一カ所にまとめて置き、カメラや双眼鏡などのみでゴリラの居場所まで少しだけ移動します。今回はそれが目的ではないため、ゴリラと一緒にいる1時間の過ごし方については省略します。

ゴリラが何をしている時にゴリラに出会うかにもよるのですが、1時間ずっと同じ場所に居続けることもあれば、1時間の間に何度か森の中を移動することもあります。ゴリラの移動に合わせ、旅行者も移動します。一カ所にまとめて置いたカバンは、ポーターやレンジャーが持って来てくれますが、ちゃんと持って来てくれているか確認しながら、進んだ方が良いです。

5.下山
ゴリラと一緒に過ごす1時間が終わると下山が始まります。そこからは最短距離で森を出るため、下山の時は登りとは異なるルートになることもあります。ゴリラを見た後でやや放心した状態でひたすら下山します。事故は下山の時に多いので、油断せずに気を付けて歩きましょう。

森から出ると、再度車に乗って、国立公園の事務所まで戻り、ゴリラ・トラッキングの終了です。

上記、さらっと書きましたが、日差しがきつい、雨が降る、移動距離が長い、登り下りが多い、藪漕ぎが多い場合などは、それなりに大変です。熱中症対策に経口補水液、長時間歩くこともあるので間食を持参されることをお勧めします。防止、日焼け止め、サングラスもお勧めです。

続きます。

ゴリラ・トラッキングはどれくらい大変かその1

ゴリラ・トラッキングはどれくらい大変ですか、お客様からよく聞かれる質問です。当日行ってみないと分かりません、というのが正解です。

これは、私の私見ですが、ゴリラに会いに行くまでの過程がそれなりに大変であることは、ゴリラ・トラッキングの人気に不可欠な要素で、その大変さがゴリラ・トラッキングが長年に渡り人気の活動であり続ける理由であり、また、それが同じ人が2回も3回もゴリラに会いに行く理由です。

日本の神社やお寺も、美しい自然の中に続く長い階段を登った後だからこそ、神社やお寺の有り難みを強く感じるのであって、それは、ゴリラ・トラッキングでも同じで、美しい熱帯雨林の中を歩いた後で、ゴリラに会うからこそ、ゴリラに会った時に強い感動を憶えるのでしょう。しかも、神社と違い、ゴリラの場合は毎日居場所が変わるという要素があり、本当に会えるのか、どれだけ歩けばゴリラに会えるのかなど、不確定さというワクワク感も加わります。

ネット上にある、ゴリラ・トラッキングの感想を見ると、ゴリラに会った時の感動やゴリラの観察と共に、必ずゴリラに会うまでの山歩きの大変さが書かれています。ゴリラに会ったことと同様に、歩きが大変だったことが旅の想い出になり、いろんな人にそれを伝えたくなるのでしょう。そういう意味でも、ゴリラ・トラッキングにゴリラに会うまでの大変さは不可欠なものといえます。

歩くのはそれなりに大変であり、場合によっては、きつい行程になることもありながら、歩きながら美しい熱帯林を楽しむことができて、歩くことにもゴリラに会いに行くという明確な目的があって、はるばる日本からやってきて、高いパーミット代も払っていて、そう簡単に引き返すこともできず、且つ殆どの場合は頑張ればどうにか歩ける範疇にあるというのが、ゴリラ・トラッキングの人気の理由であり、醍醐味なのではないでしょうか。

予想以上に体力的に大変で、ゴリラ・トラッキングは1回だけで十分と仰る方もいらっしゃいますが、それでも、ゴリラ・トラッキングに行ったことの価値は認められますし、良き旅の想い出になったと仰います。ゴリラ・トラッキングは行く価値がなかったという感想は聞いたことがありません。

続きます。

車の揺れ対策 後編

アフリカを旅行された方からよく聞くのが、予想以上に陸路での長距離移動が体力的に大変だったという点です。日本の道路と違い、路面の状況が悪く、車が揺れることが理由ですが、国立公園内の未舗装路の道路ではなおさらです。

当地では、悪路での車の揺れをアフリカン・マッサージなどと冗談を言うことがありますが、実際には車の揺れに耐える体幹トレーニングです。いくつか対策を書いてみます。

6.荷物の積み方
殆どの車において、最後列の後ろが荷物用のスペースになっていますが、ここに重たい荷物を置くと、車の揺れを増大させてしまいます。重たい荷物が多く、また座席数に余裕がある場合は、前輪と後輪の間の真ん中付近に重たい荷物を置くと揺れを軽減できます。

7.国内線を利用する
ウガンダでも国内線が増え、多くの国立公園にも毎日定期便が飛んでいます。長距離移動の片道だけでも国内線を利用すると、ツアー全体での疲労の蓄積を減らすことができます。

8.体幹を鍛える
文字通り、体幹を鍛えましょう。旅行の前は仕事が忙しくなりがちですが、なるべく体を動かすようにしましょう。

9.タイヤの空気圧の調整
この点は運転手の業務ですが、車の揺れにとって、タイヤの空気圧の調整も大切な要素です。4輪の空気圧がバラバラだと車が揺れやすくなり、空気圧が高過ぎると車が跳ねやすくなります。車が大きく揺れるや跳ねると感じる場合は、運転手に相談してみてください。

10.安全運転
この点は弊社の業務ですが、急ブレーキ、急ハンドルをしない安全運転の運転手を選ぶことも、車の揺れを減らす大きな要素です。運転手の採用、人選は常々慎重に行なっておりますが、運転に問題がある場合は、弊社までお知らせください。

車の揺れ対策 前編

アフリカを旅行された方からよく聞くのが、予想以上に陸路での長距離移動が体力的に大変だったという点です。日本の道路と違い、路面の状況が悪く、車が揺れることが理由ですが、国立公園内の未舗装路の道路ではなおさらです。

当地では、悪路での車の揺れをアフリカン・マッサージなどと冗談を言うことがありますが、実際には車の揺れに耐える体幹トレーニングです。いくつか対策を書いてみます。

1.シートベルトを着用する。
事故の際に体が飛び出さないためのシートベルトですが、多少なり座席に体を固定してくれるので、体の揺れを軽減することができます。揺れの蓄積という意味では、長距離移動の移動の際にシートベルトを着用するのは効果的です。
- ウガンダの法律では後部座席でもシートベルトの着用が義務づけられています。乗員がシートベルトを着用しない場合は、運転手に罰金が課せられます。

2.こまめに休む
飛行機や電車と違って、車は大体どこでも止めることができるので、疲れてきたら車を止めて、休みましょう。時折、体を伸ばして、疲れを蓄積させないこと大切です。運転手にも、長距離移動の場合は、2-3時間おきに車を止めて、休憩するように指示しておりますが、それ以外でも、疲れてきたら、休憩したい旨を運転手にお伝えください。

3.悪路では、上体を背もたれから浮かせる
シートベルトで体を座席に固定することの短所は、国立公園内の未舗装路などで車が大きく揺れた際に、体も大きく揺れてしまう点です。悪路で大きく車が揺れる時は、背もたれから背中を浮かして、揺れから上半身を解放させると、楽になります。

4.ストレッチ
車内でもエコノミークラス症候群と同じ症状が発生するので、車内でのストレッチも有効です。

5.座席を選ぶ
車種にもよりますが、多くの車では、最後列の座席が一番大きく揺れます。また、前輪、後輪ともにタイヤの真上に上に座席も揺れが大きめです。揺れに弱い方は、タイヤの真上でない座席、また前輪と後輪の間の真ん中付近の座席をお勧めします。